蝗祭
本日は蝗祭が斎行されました。
蝗(いなご)の祭と書いて蝗祭(うんかさい)
蝗を祀ったお祭ではありません。ウンカとは稲に付く害虫の総称の事で、害虫による稲の被害が無く、秋の豊作を無事に迎えることが出来るようにと祈願するお祭りです。
地域によっては「虫祭り」や「除蝗祭(じょこうさい)」などとも呼ばれていて、神事の時期や方法などは異なる様ではありますが「害虫による作物の被害がなく、豊作を祈願する」ことは共通する様です。
この神事の特徴は各町内会の区長が竹筒を持って本殿に参進し、神事の後にはその竹にご祈祷した御札を貼り付けて町内に掲げ、虫害が無い様にと祈念します。
古くは夜間に田んぼで松明を掲げて害虫をおびき寄せて駆除していたことに由来しているそうです。
現在では松明を灯すことは無く、時代の流れと共に神事の在り方も少しずつ変わってきてはいます。しかし忘れてはいけないのは、どんなに文明が発達し、便利な世の中になろうとも、我々は自然の恵みのなかで生かされているということです。
陽の光が無ければ、水が無ければ、木々が無ければ、すべての自然の恵みが無ければ、我々が普段口にしている食べ物はすべて手に入れることが出来なくなります。
我々の暮らしを便利で快適にしてくれる文明を築き上げた先人達に感謝をするとともに、自然に対するの感謝の気持ちも忘れずに持ち続けたいものです。